2011年新潟・福島豪雨の報道量が少ないような
新潟・福島豪雨から約10日.少なくない被害が出ているのに,報道が低調のような印象があるので,簡単に調べてみました.
2011年新潟・福島豪雨は数日間にわたって豪雨が生じていますが,ここでは大きな被害が生じた7/30を発災日とみなしました.朝日新聞記事DB聞蔵で,「新潟&豪雨」として,7/30-8/7の1週間を対象に検索.ヒット数36件,うち6件は高校野球に被災地の高校が出場した件など,災害と直接関係の薄い記事なので,実質的には30件程度でしょうか.ちなみに7/28や29を検索開始日にしても記事数は変わりません.
一方,2004年豪雨については,豪雨及び災害の発生が2004/7/13の完全に収まりますので,7/13を発災日として同様に朝日記事を7/13-19の1週間を対象に検索すると,ヒット数は61件(関係薄いもの4件).2011年豪雨の記事数は2004年豪雨のおよそ半数程度となります.ざっくりとした比較ではありますが,これはあまりにも少ないような気がします.
近い時期の災害として,2010年の奄美豪雨(気象庁による命名はないので通称)とも比較してみました.この災害については消防庁から被害の集計値は公表されていません.鹿児島県の2010/11/12現在資料によれば,主な被害は死者3,住家全壊10,半壊450,床上浸水130.
当方のこの災害に関係するブログ記事は下記です.記録的短時間大雨情報が同じ市町村に対して同一日に3回出たことが印象的です.降水量は,AMeDAS名瀬で24時間646,72時間718など,この地域としてもかなり大きな値が記録されました.
奄美豪雨・読売新聞にコメント掲載
http://goo.gl/EiIGe
奄美豪雨・警報等発表状況
http://goo.gl/3Q6Bl
奄美大島での豪雨・降水量記録関係
http://goo.gl/nPKYo
奄美豪雨は2010/10/20を中心に発生しているので,この日を発災日と見なします.朝日新聞記事DB聞蔵で,「奄美&豪雨」として10/20-26の1週間を対象に検索.ヒット数57件(うち4件は関係の薄い記事).
「豪雨の激しさ」は比較が難しいですが,既往記録を大きく上回ったという意味では2011年新潟・福島豪雨と共通しています.既往記録を大きく上回った観測所の空間的な大きさでいうと2011年新潟・福島豪雨の方が大きいくらい.奄美の場合は島なのでこれもあまり直接比較はできませんが.
雨の規模はおおざっぱにいうと2011年新潟・福島豪雨の方がやや激しいか,同程度くらい.被害規模は2011年新潟・福島豪雨の方が倍以上という所.一方,報道量は奄美豪雨の方が2011年新潟・福島豪雨に対して倍近い量です.報道量が「社会的関心の程度」に直結するわけではないですが,いろいろと考えさせられる結果です.
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