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2011年8月26日 (金)

大雨災害と防災に関するアンケート調査結果報告会・8/30岩手県住田町

8/30の講演2件目.こちらは陸前高田市の隣の住田町です.

東日本大震災の1ヶ月ほど前に,住田町の気仙川周辺地区を対象に,豪雨災害に対する地域の考え方を知るためのアンケート調査を行いました.震災の影響でとりまとめが遅れていましたが,このたび,現地での報告会開催に至りました.

大雨災害と防災に関するアンケート調査結果報告会

日時・場所
平成23年8月30日 19:00~20:30
住田町農林会館多目的ホール
http://g.co/maps/47vw

チラシの画像を下に貼っておきます.
Photo

自然災害から身を守る防災気象情報の活用について説明会・8/30陸前高田市

8月30日に岩手県気仙地方で2件の講演をいたします.まず1件目のご案内.

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自然災害から身を守る防災気象情報の活用について 説明会
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○趣旨
 東日本大震災津波により壊滅的な被害のあった陸前高田市において、現在、全国からの多くの方々によるボランティア活動や復興支援活動が行われている。ところが、津波により陸前高田市市街地の防災行政無線がなくなっていることから、現場で従事されている方々に対して、防災に関する情報伝達方法が限られている状況である。幸い、携帯電話による防災気象情報の提供は可能となっていることから、携帯電話を活用し、確実に防災情報を入手する必要がある。
このようなことから、改めて災害時における避難のあり方について理解を深めるとともに、全国からお集まりいただいているボランティアや現場で従事される方々に対し、携帯電話による防災情報の提供サービスの活用について周知が図られるよう、説明会を開催するものである。

○ 開催日時・場所
平成23年8月30日(火) 15時30分 ~ 16時30分
竹駒地区コミュニティーセンター
〒029-2203 陸前高田市竹駒町字舘44
TEL 0192-54-2943

※どなたでも参加できるとのことです

○ 主催
静岡大学防災総合センター、岩手県、陸前高田市

○プログラム
【防災講演】
 演題/自然災害から身を守る防災情報
 講師/静岡大学防災総合センター副センター長
                      准教授 牛山素行 氏
【防災情報説明】
 いわてモバイルメールの登録の仕方

2011年8月25日 (木)

災害情報という防災対策は難しい

昨日8月24日,日本科学教育学会シンポジウム「非常時を乗り越える為の科学教育:いま東日本大震災から考える」に参加し,話題提供をさせていただきました.はじめて行く学会で,なかなかおもしろかったです.

シンポのプログラムはこちらのページ http://t.co/6pBGvSd

牛山は,「災害情報という防災対策は難しい」というタイトルで話題提供を行いました.発表予稿を http://t.co/mZ38Thz に公開します.

2011年8月19日 (金)

豪雨の時に田畑の見回りに行って遭難するという被害をどうすればよいのか

昨日,防災科研の井口さんのツイートをきっかけに,「豪雨の時に田畑の見回りに行って遭難するという被害をどうすればよいのか」といった話題での議論がtwitter上で展開されました.関連するツイートを下記にまとめました.

http://togetter.com/li/176104

なお,これまでに筆者がまとめたツイートの一覧は下記から見ることができます.

http://togetter.com/id/disaster_i

2011年8月18日 (木)

自然災害の犠牲者を減らすことは,結局死因の構成比を変える営みかも知れない

人は100%死にます.怖いけど,ここからは逃れられない.死ぬというリスクをゼロにはできない.

そう考えると,特定の死因による死者を減らすことは,大局的には,死因の構成比を変える営みということなのかもしれません.そして,死因の構成比は年単位でも大きく変動しています.下図は,厚労省の人口動態統計を元にした日本の死因の経年変化です.1998年までで止まっていますが,これはとりあえず作図に使った資料の都合上のことで,最新データは2010年まであります.

http://goo.gl/6S1X4

悪性新生物(ガン),心疾患,脳血栓疾患などが概ね上位ですが,年々の変動が激しいことも分かります.悪性新生物は毎年数千人ずつ増加,対前年比で言うと1990年代では102~108%位ずつの増加です.

死因のうち,すべての病気&老衰&自殺,を除いたものが「不慮の事故」です.自然災害による犠牲者はここに含まれます.交通事故,水難事故なども同様でしょう.自然災害による犠牲者は年々減少傾向ですが,近年は概ね100人未満です.

http://goo.gl/SDSln

したがって,通常は「不慮の事故」死者数の変動にあまり影響を与えませんが,阪神大震災のような巨大災害があると,1995年の「不慮の事故」が少し上がっているように,影響が出る場合があるようです.ただ,1950年代頃の自然災害の犠牲者が年数千人発生したことが続いた頃の「不慮の事故」は必ずしも多くありません.1960年代に「不慮の事故」が多いのは,交通事故の影響かも知れません.2011年の値が出ると,残念ながら「不慮の事故」の数が,このグラフの上でもはっきり読み取れるくらい大きく増えることになります.

筆者は,「自然災害の犠牲者を減らしても結局他の死因で亡くなるのだから無駄なことだ」,などと思っているわけではありません.統計で見る死者は「×千人」「×%」という「数値」ですが,その中の1人1人は,家族・友人であったり,いつの日かは私です.当事者にとっては,「×%」ではなくて「××さん」です.「××さん」が今すぐに亡くなるようなことを避けたいと思うのは当たり前です.

すべての死因による死者を減らす努力は常に必要です.しかし,死ぬというリスク自体をゼロにはできない.死に至る原因となるどのリスクを減らすことに重点を置くかは,それぞれの社会,あるいは個人の価値判断であり,ごく短いサイクル(場合によると昨日と今日でも)でもうつろうものだと思います.「絶対に正しい解」はないと思います.

【天竜川水難事故を聞いて】厳しい経験やその教訓を維持し続けられるか

昨日8月17日,静岡県浜松市天竜区の天竜川で,舟下りの船が転覆し,2名が死亡,3名が行方不明となりました.気象条件に特別な変化はなく,自然災害とは異なる,水難事故だと見なされます.

川下り船転覆で2人死亡 浜松・天竜川、2歳児ら3人不明(産経)
http://goo.gl/Gttg0

ところで下記新聞記事をご覧ください.
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今回の事故で「天竜舟下り」の安全管理の認識の甘さが露呈した。救命具は、背もたれのクッションだけで、乗船前に使い方を説明したが、今回の事故では手にする暇もなく川へ投げ出された人が多かった。
 舟が転覆する直前に教諭や生徒からは「救命クッション」という叫び声があがったという。
 救命クッションは通常は背もたれとして使われているが、緊急の場合には抱きかかえて浮輪のように使える。
 救命胴衣は利用者からの申し出がない限り使っていなかった。
 記者会見をした同社の林忠信・安全室長は「身につける救命胴衣は必要だと思うが……」と言葉を濁した。
 1987年5月に死者2人、行方不明1人を出す事故を起こしたあと救命胴衣を一時導入したが、暑さや衣服の汚れなどから利用者の評判が悪く、救命クッションに戻した経緯があるという。
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今回の事故を伝える記事ではありません.2003年5月23日に,天竜川の上流(今回の事故現場のはるか上流の長野県飯田市内)で発生した舟下りの転覆事故を報じる,2003年5月24日付朝日新聞の記事です.しかし,何気なく読めば,今回の事故を伝える記事と取り違えそうな気がします.

事故と災害は性質として似ているところがあります.何か目立つ事象が発生すると,検証が行われ,対策が取られます.発生直後は,かなり厳しい対策も容易に受け入れられるでしょう.しかし,時間が経つとともに,それを維持することは難しくなります.

誰がいけない,ということではありません.教訓を忘れる人が意識が低いなどと言っても何も解決にはなりません.人というものは,忘れやすい生き物である事を前提として,ではどうするかを考えていくしかないと思います.難しいですが.

2011年8月17日 (水)

電子国土の地図は刊行物にも使える件

最近あらためて知ったのですが,電子国土の地図も,ロゴをつけて少量であれば,特に申請手続きなしに刊行物やwebに転載できるそうです.
 http://t.co/3ULxf9I

二昔前から,国土地理院の(紙の)地形図は,少量(その定義は http://t.co/ekqHB1t で今も変わらない)であれば申請手続きなしに刊行物に転載可能でした.しかし,今から10年くらい前に何度か国土地理院に問い合わせた頃は,web上への転載は少量でもダメ,と聞かされました.

国土地理院の地形図は大好きなのですが,この転載に関する考え方にはどうにも納得がいかず,刊行物やwebでは極力使わないようにしてきました.それがいつの間にか,ごく常識的なルールになっていたことに驚くとともに,ありがたく思いました.

しかしいまやweb上に地図を貼るなら,GoogleMapなど簡単な方法がいくらでもあります.「閲覧するだけでも苦痛なことが多い」電子国土の地図を苦労してweb上に貼る気は起きませんが,刊行物につける図としてはGoogleMapよりきれいだと思うので,使ってみようと思います.たとえば,

http://goo.gl/WoIvV

このような感じ.

2011年8月15日 (月)

1983年台風10号による長野県諏訪市の洪水災害の写真

ちょっと問い合わせがありましたので,当方webて以前から公開していた1983年台風10号による長野県諏訪市の洪水災害の写真を,拡大して,位置情報付加し,あらためて公開しました.

https://picasaweb.google.com/100782963226592669070/198310

この災害についての簡単な説明として,webに掲載していたものを再掲します.写真にも写っている諏訪湖畔,今夜8月15日は諏訪湖祭湖上花火大会で大賑わいの頃です.

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1983年9月27日から28日にかけて日本付近を通過した台風1983年10号により,関東以西の各地で大雨となり,豪雨による災害が発生した.AMeDAS諏訪(諏訪測候所・現諏訪特別地域気象観測所)では,27~28日の降水量が215mmとなり,この豪雨に伴う流域から流入量の増大により諏訪湖が氾濫し,市内だけでも浸水棟数3637棟を数えたほか,土砂災害により死者2名が発生するなど,大きな災害となった.筆者は降雨中の28日および降雨終了後の29日に諏訪市街付近を調査したので,その状況を写真にて示す.

2011年8月10日 (水)

新潟・福島豪雨 被害関係の図を追加

2011年新潟・福島豪雨に伴う被害に関係した図を少し作成しました.

8/8現在の新潟県資料,福島県資料を元に,市町村別の主な被害を分布図にしました.死者・行方不明者数  http://t.co/PtAwK9t

全壊・半壊家屋数.8/8時点では,魚沼市の被害が目立っています.今後,浸水家屋からの判定変更などでこの分布は変わってくると思います. http://t.co/ywnDVUy

床上浸水家屋数.阿賀町,三条市,長岡市,魚沼市,南魚沼市,只見町が100棟以上.三条市の被害には非住家が含まれるとのことなので,少し減るかも知れません. http://t.co/Bawm1R4

新潟・福島豪雨 2004年と2011年の比較に関するグラフを追加

2004年新潟・福島豪雨と,2011年新潟・福島豪雨を見比べるために,いくつか図を追加作成しました.

まず,2011年豪雨.2011/7/30 24時の72時間降水量分布図です.欠測時間の長いAMeDAS十日町を削除.降水量が特に多かった新潟県所管の笠堀ダム,大谷ダム,大谷,笠堀を追加. http://t.co/TIA4E4K

2004年豪雨について同様な図です.2004/7/13 24時の72時間降水量分布.アメダス観測値のみ使用.このときは24時間や48時間でもあまり図は変わらない.最多雨域でも400mm台で,旧栃尾市付近のみ.2011年は400mm以上の領域が中越地方山間部に広く広がっている. http://t.co/4876OoO

2004/7/11-13の新潟県栃尾の降水量推移.13日ほぼ1日のみの降雨イベントであることが分かる. http://t.co/bslYpIt

今回の只見 http://t.co/a2wd6Um 宮寄上 http://t.co/6N2AZP9 の降雨波形とはかなり違う.  

新潟・福島豪雨の遭難者はやや特徴的

2011年7月新潟・福島豪雨による遭難者(死者・行方不明者)は,8/9現在で死者4名,行方不明者2名,計6名となっています.これら遭難者について,おもに報道記事を元に遭難状況を集計しました.これは,筆者が最近7年ほど行っている同様な調査の一環です.調査方法やこれまでの論文などについては

http://disaster-i.net/research4.html

に示してあります.

今回の遭難者が発生した箇所のおおよその位置を下図の赤マークで示します.

http://goo.gl/VZ83z

位置はアドレスマッチングで自動判定したもので,正確ではありません.この場所で遭難したことを意味しません.点の情報になってしまいますが,あくまでも地名から判定したおおよその位置です.地名でいうと,十日町市(2名),小千谷市,三条市,田上町,只見町の各市町村に渡っています.

年齢は67,63,25,64,63,93となっており,65歳以上が2名,60歳以上だと5名となり,高齢者への偏りがあるのは近年の災害の傾向と同様です.

原因別に分類すると(分類法は上記http://goo.gl/k2V6S 参照),「洪水」が5名,「河川」が1名となり,「土砂」,「強風」,「その他」は確認できませんでした.

総数が6名と比較的少ないので,傾向というほどのことは言えませんが,「洪水」が遭難者のほとんどを占めていることは近年の豪雨災害ではあまり見られないことで,今回の災害の特徴と言っていいかもしれません.

遭難者のうち,十日町市で遭難した67歳男性,三条市で遭難した25歳男性は車で移動中に河川に転落しています.車や徒歩で移動中の遭難者は,近年の豪雨災害の犠牲者の1/4程度を占めており,多く見られる遭難形態です.

十日町市で遭難した93歳女性は,家族とともに徒歩で避難しようと移動していたところ洪水に流された模様です.避難途中の遭難者は,近年の豪雨災害の犠牲者の1割弱存在します.2009年8月の兵庫県佐用町での豪雨災害時に多く発生した形態ですが,今回も生じてしまったことは残念です.

只見町で遭難した63歳男性と小千谷市で遭難した63歳男性は,いずれも増水した河川付近で土嚢積み作業をしていたところ,川に転落して流された模様です.この遭難形態は,筆者が集計している2004年以降の豪雨災害による犠牲者399名の中でははじめてみられたものです.「土嚢積み作業中に遭難」という携帯は時折見られますが,これまでの集計で見られたのはいずれも「土嚢積みをしていたところ,土石流や土砂崩れに巻き込まれて遭難」というものでした.つまり,水を警戒していたら土砂に襲われたということでした.しかし,今回は,まさに,水を警戒していて,水に襲われたものです.今回の洪水流の激しさを示す例かも知れません.

田上町で遭難した64歳男性は,「田んぼの様子を見に行く」と出かけ,川に転落したものです.このような,「自らの意志で能動的に危険に接近した」遭難者を筆者は「能動的犠牲者」と分類しています.この形態は非常に多く,全犠牲者の1/3程度を占めますが,こんかいはこの遭難者1名のみでした.

今回の豪雨による遭難者は,近年の豪雨災害事例と比べても比較的少ない数にとどまっています.このような場合,上記「能動的犠牲者」が多く見られる事がよくあります.たとえば,本事例の約1週間前の台風6号による遭難者3名は全員が「能動的犠牲者」でした.しかし本事例ではこのような遭難者が1名にとどまり,土砂による犠牲者がなく洪水による犠牲者がほとんどだったことは非常に特徴的です.土嚢積み中に洪水流に流される,避難途中に流されるといった,比較的発生例の少ない遭難形態が見られたことも特徴的です.遭難者数が比較的少ないことであまり注目されていないのかも知れませんが,いろいろな示唆,教訓の含まれる事例だと思います.

2011年8月 9日 (火)

2011年新潟・福島豪雨の報道量が少ないような

新潟・福島豪雨から約10日.少なくない被害が出ているのに,報道が低調のような印象があるので,簡単に調べてみました.

2011年新潟・福島豪雨は数日間にわたって豪雨が生じていますが,ここでは大きな被害が生じた7/30を発災日とみなしました.朝日新聞記事DB聞蔵で,「新潟&豪雨」として,7/30-8/7の1週間を対象に検索.ヒット数36件,うち6件は高校野球に被災地の高校が出場した件など,災害と直接関係の薄い記事なので,実質的には30件程度でしょうか.ちなみに7/28や29を検索開始日にしても記事数は変わりません.

一方,2004年豪雨については,豪雨及び災害の発生が2004/7/13の完全に収まりますので,7/13を発災日として同様に朝日記事を7/13-19の1週間を対象に検索すると,ヒット数は61件(関係薄いもの4件).2011年豪雨の記事数は2004年豪雨のおよそ半数程度となります.ざっくりとした比較ではありますが,これはあまりにも少ないような気がします.

近い時期の災害として,2010年の奄美豪雨(気象庁による命名はないので通称)とも比較してみました.この災害については消防庁から被害の集計値は公表されていません.鹿児島県の2010/11/12現在資料によれば,主な被害は死者3,住家全壊10,半壊450,床上浸水130.

当方のこの災害に関係するブログ記事は下記です.記録的短時間大雨情報が同じ市町村に対して同一日に3回出たことが印象的です.降水量は,AMeDAS名瀬で24時間646,72時間718など,この地域としてもかなり大きな値が記録されました.

奄美豪雨・読売新聞にコメント掲載
http://goo.gl/EiIGe
奄美豪雨・警報等発表状況
http://goo.gl/3Q6Bl
奄美大島での豪雨・降水量記録関係
http://goo.gl/nPKYo

奄美豪雨は2010/10/20を中心に発生しているので,この日を発災日と見なします.朝日新聞記事DB聞蔵で,「奄美&豪雨」として10/20-26の1週間を対象に検索.ヒット数57件(うち4件は関係の薄い記事).

「豪雨の激しさ」は比較が難しいですが,既往記録を大きく上回ったという意味では2011年新潟・福島豪雨と共通しています.既往記録を大きく上回った観測所の空間的な大きさでいうと2011年新潟・福島豪雨の方が大きいくらい.奄美の場合は島なのでこれもあまり直接比較はできませんが.

雨の規模はおおざっぱにいうと2011年新潟・福島豪雨の方がやや激しいか,同程度くらい.被害規模は2011年新潟・福島豪雨の方が倍以上という所.一方,報道量は奄美豪雨の方が2011年新潟・福島豪雨に対して倍近い量です.報道量が「社会的関心の程度」に直結するわけではないですが,いろいろと考えさせられる結果です.

2011年8月 8日 (月)

新潟・福島豪雨 関係資料へのリンク

  • 平成23年7月新潟・福島豪雨による被害状況等について(第7報):総務省消防庁 http://t.co/2yfcKgD
  • 新潟県防災ポータル-7月27日~30日の大雨による被害状況について(速報第17報) http://bit.ly/rj9PCv
  • 新潟地方気象台 「平成23年7月新潟・福島豪雨」の災害速報 http://t.co/eyI8Tfr
  • 気象庁 平成23年7月新潟・福島豪雨 http://t.co/3ZVfhDC
  • 気象庁 平成23年7月新潟・福島豪雨の発生要因について ~過去の豪雨事例との比較~  http://t.co/Y5kl4R1
  • 北陸地整 『平成23年度新潟・福島豪雨』による阿賀野川(直轄管理区間)出水の概要 http://t.co/9h4GOXD
  • 北陸地整 「平成23年7月新潟・福島豪雨」による信濃川洪水の概要(洪水速報第1報) http://t.co/bRPf1PB
  • 新潟県土木部 平成23年7月新潟・福島豪雨による被害状況(第1報)H23.8.3 http://t.co/wY13EbK
  • 新潟県土木部砂防課 平成23年7月新潟・福島豪雨関連情報【砂防課】 http://t.co/qSZ67PZ

新潟・福島豪雨 降水量関係のグラフ

新潟・福島豪雨関係で,アメダス観測値を集計したグラフをいくつか作成しました.

下図はAMeDASデータを元にした2011/7/30 24時の72時間降水量分布図です.新潟県宮寄上,福島県只見では600mm以上,新潟県塩沢500mm以上を記録. http://twitpic.com/62w2ry
 

下図は,2011/7/30の72時間降水量が,1976年以降最大値を更新したAMeDAS観測所(統計期間20年以上)です.新潟県中越地方山間部を中心に19箇所で更新.降水量の多かったところで更新量も多い傾向. http://twitpic.com/62w4m7

72時間降水量が最も多かった福島県只見の1時間降水量,72時間降水量の推移(2010/7/28-30).29日11時頃からが特に降水量が多い.29日21時頃から3時間ほど小康状態があるが30日02時頃まで1時間降水量20mm以上 http://twitpic.com/62w68f

新潟県側で最も72時間降水量が多かった宮寄上の1時間降水量,72時間降水量の推移(2011/7/28-30).こちらは29日昼と30日未明に2度のピークがあり,やや降り方が分散している. http://twitpic.com/62w73y
 

横軸に降水継続時間,縦軸に各降水継続時間について今回の豪雨期間中に記録された最大値を取ったグラフ.過去の記録との対比をするためにこのようなグラフを作ります.只見では1,2,24,48,72時間降水量すべてについて,過去最大値を上回りました. http://twitpic.com/62w7x5

宮寄上についての同様なグラフ.こちらも,1,2,24,48,72時間降水量すべてで過去最大値を更新. http://twitpic.com/62w8d3

なお,AMeDAS十日町については途中から欠測となったため,実際にはもっと大きな値が記録されている可能性があります.

新潟県土木部 平成23年7月新潟・福島豪雨による被害状況(第1報)H23.8.3 http://t.co/wY13EbK
 

上に挙げた新潟県土木部の資料によると,県所管の十日町地域振興局での「累計雨量」は493mmとのこと.直接比較ができないが(だから累計雨量はイヤなのです),AMeDAS十日町よりは100mm以上は多そう.

新潟・福島豪雨 被害の概況

平成23年新潟・福島豪雨の被害ですが,消防庁の最新報は8/3現在のものとなっています.これによれば,主な被害は全国で死者4,不明者2,全壊20,半壊2,床上浸水1784.人的,家屋被害のほとんどは新潟県で,死者4,不明者1,全壊19,半壊1,床上浸水1655です.

平成23年7月新潟・福島豪雨による被害状況等について(第7報):総務省消防庁 http://t.co/2yfcKgD

新潟県からは8/8現在の資料が公開されています.

 新潟県防災ポータル-7月27日~30日の大雨による被害状況について(速報第17報) http://bit.ly/rj9PCv

これによれば,主な被害は死者4,不明者1,全壊25,半壊90,床上浸水1533.8/3資料に比べて,床上浸水が減,全壊,半壊が増となっています.

一方,2004年豪雨時の消防庁最終報は,9/10発表の53報

 平成16年7月新潟・福島豪雨による被害状況(第53報):総務省消防庁 http://t.co/stH0WAC

2004年豪雨も被害のほとんどは新潟県でした.消防庁2004/9/10資料では,新潟県の主な被害は死者15,全壊70,半壊5354,床上浸水2149.半壊が非常に多いが,これは床上浸水した住家が最終的に半壊と判定されたものである可能性が高いです.例えば災害約3週間後の2004/8/3時点の消防庁資料では全壊29,半壊60,床上浸水7268.全壊+半壊+床上浸水は7357.2004/9/10資料では同7573で,概ね整合します.「半壊」といっても建物が半分くらいつぶれてしまったような形態を想像すると,少し実態と異なります.

このような「発表される床上浸水の家屋数がある日急に減少し,だいたいそれに見合う分の全半壊家屋数が急増する」という現象は,近年の豪雨災害でよく見られることです.被災者生活再建支援法の適用を考慮した事ではないかと想像します.このこと自体に筆者は否定的な意見を持ちません.ただし,過去の災害と比較する際には,被害の統計値を単純比較してはいけないことにも注意が必要.統計値を単純に見て,「近年,全半壊家屋数が増加している」といった読み取りをすることは不適切です.

2011年豪雨での新潟県被害は,8/8現在で全壊+半壊+床上浸水が1648.断定はできないが,2011年豪雨の人的,家屋被害は,2004年豪雨よりも低い規模にとどめられた可能性があります.

2011年8月 4日 (木)

平成23年7月新潟・福島豪雨による災害に関するメモ

平成23年7月新潟・福島豪雨による災害に関するメモ
http://disaster-i.net/disaster/20110729/
を公開しました.

これまでツイッターやブログで公開したものや,若干の補足情報を1ページのリストにまとめたものです.

2011年8月 1日 (月)

五十嵐川流域を現地踏査

昨日7月31日は新潟県三条市,五十嵐川流域を踏査してきました.主要な写真を公開しました. http://t.co/w3u60QN

三条市街地から五十嵐川右岸側を南五百川地区付近まで移動.また,同川支流守門川を少しだけ南下.この範囲での印象は,住家密集地での大規模な浸水は見られないと感じました.

一方山間部では,かなり多くの斜面崩壊や土石流・土砂流,河川沿いの側岸浸食が見られました.これらによる家屋の損壊が至る所で発生している状況ではありませんが,ごく局所的な被害ともいえません.

新潟県の発表している被害概況
http://www.bousai.pref.niigata.jp/contents/kinkyu_sizen/002687.html

から見ると,まだ把握されていない被害が多いとは思いますが,2004年の豪雨災害を大きく上回るような被害となっているとまでは言えないような印象ももちます.まだ断定はできませんが,そうだとすれば,それはそれで関心の持たれるところです.

踏査ルートのイメージ.厳密に示していません. http://t.co/2kR6ILu

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