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2011年12月14日 (水)

「等値線」に思うこと

私は最近は等値線図を書くときに大抵GMTなどのツールを使います.その理由は「効率的だから」.「正確だから」と思ったことはありません.ツールは時々変な線を吐き出します.でも,その図で示したかった情報に対して大した問題でないときは特に補正したりはしません.実際,補正の必要があると考えられない場合がほとんどです.

等値線には,「その線を描く上で適切な(地図の)縮尺」というものがあるはずです.小縮尺図の上で描いた等値線図を大縮尺図に当てはめてはいけないものです.しかし,こういった「常識」が電子地図の時代(すぐにいくらでも拡大できる)になって崩れてしまったのだろうか.

先日挙げたこの図 http://goo.gl/50qME のベースマップは1:50000.この等値線図は私の「手描き」です.このような図はツールで描く方がはるかに面倒.これより大縮尺ではこの図は描けないと考えます.1分ごとの等値線が描かれているが,精度としては,±1分程度と考えているので,等値線の前後1本分くらいのずれがあってもおかしくないと読み取ってください.

ハザードマップでも「正確なマップを!!」と言われますが,縮尺を小さく(表記を細かく)することが正確さにつながるわけではないし,計算すると正確な結果が得られるわけではない.このあたりの意味をご理解いただくことが地域で災害を考える上での一つのヤマ.

しかし,自然災害については3.11以降,「計算して細かいマップを作ることが正確なマップを作ることではない」という話を受け入れてもらいやすくなったような気がします.「計算して得られた想定はあくまでもひとつの目安だ」ということが実感されるようになったのかも.

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