1980年代以降の豪雨・豪雨災害の経年傾向グラフ
出水期が近づきつつあるので,2011年のAMeDASデータの集計を実施しました.まず,全国AMeDAS観測所で1時間80mm以上(猛烈な雨)の記録回数は2011年も多めの傾向,ただし突出した年というほどではではありませんでした.
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次に,1日200mm以上の記録回数.これはやや長い時間にわたってまとまった雨が降った回数の一つの目安になります.2011年は1980年以降最大の477回(2位は僅差で2004年の471回)となりました.まとまった雨が,広範囲、高頻度に発生したことが示唆されます.2008年から2010年の3年間,まとまった雨が記録的に少ない状態が続いていましたが,そのような異常な状態はやはり打ち止めになりました.
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これは,気象庁・消防庁資料による風水害被害の経年変化.2010年と2011年は暫定値です.2011年は最近10年くらいで見ると被害の多い年となりましたが,長期的に被害が減少傾向であることは変わりません.
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こちらは警察庁・消防庁資料による戦後日本の自然災害被害の経年変化.2011年のみ暫定値です.やはり減少傾向は明瞭です.1995年の阪神・淡路大震災,2011年の東日本大震災で人的被害や家屋被害が多く発生しており,長期的な傾向は減少でも,時として大きな被害が生ずることも事実です.
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なお,近年は床上浸水が後に全半壊に判定されることがよくあるので,両者の変化を見る時は注意が必要です.この点,あまり整理していませんが,一例を挙げると,2009年8月の台風9号による被害は,2009年8月21日の消防庁資料では,全壊21棟,半壊49棟,床上浸水1917棟ですが,2009年11月19日の資料だと,全壊181棟,半壊1125棟,床上浸水972棟となります.床上浸水の減少分と全半壊家屋数の増加分がおおよそ整合するように見えます.