防災気象情報に関するアンケート(2012年 竜巻注意情報等)の素集計結果を公表
竜巻等突風予測情報改善検討会 第2回検討会 http://goo.gl/M03eM で報告した,当方が気象庁と共同で実施した,防災気象情報に関するアンケート(2012年 竜巻注意情報等)の素集計結果を,報告書形式で公開しました.この報告書は,牛山の責任により集計,分析したものです.
http://www.disaster-i.net/notes/120710report.pdf
主な結果は以下の通りです.
●背景・調査手法
- 2012年5月6日に竜巻災害に見舞われた,茨城県つくば市など(エリアA),被災地近傍の水戸市・宇都宮市(エリアB),近年大きな竜巻災害に見舞われていないが竜巻災害の可能性がある地区(エリアC:新潟市,エリアD:高知市周辺)の在住者を対象に,竜巻に関係する起床時用法に対する認識などをアンケートで調査.
- インターネットを通じた社会調査サービスであるgooリサーチを利用.2012年6月20日~25日に依頼メールを配信,計1162件の回答を得た.
●主な結果とコメント
- 「竜巻注意情報」または「竜巻注意報」が発表されることを認知している回答者が5割.名称の理解が曖昧な回答者を含めれば8割前後
- 実際に竜巻が発生するのが数十回に一度程度でも,6割以上が「竜巻注意情報は役に立つ」と回答.ただし強い支持は2割.
- 7割以上の回答者が,竜巻注意情報の「解除」を出した方がよいと回答
- 8割前後の回答者が,もっと細かな地域単位で発表した方がよいと回答
- 竜巻注意情報に対する認識,「解除」に対する意見,地域単位の細分化については,地域による回答傾向の差は不明瞭
- 竜巻ナウキャストを見るという回答者は3割程度.積極的回答は数%
- 竜巻注意情報を覚知してナウキャストを見る,という反応は期待できない
- 登録制防災メール利用意向は4割強.積極的回答は1割以下.
- (エリアメールはごく限定的な情報のみを配信しているという現状を説明した上でも)6割前後の回答者が竜巻注意情報をエリアメールで配信した方がよいと回答.
- ナウキャストの利用意向,登録制防災メールの利用意向,エリアメールでの竜巻注意情報配信については,地域による回答傾向の差は不明瞭
- 竜巻注意情報が出た際の対応行動は「実行する可能性がある」まで含むと,挙げた対応行動に6~7割の回答者が対応意向を示した.
- 対応行動はおおむね被災地の方が積極的(「確実に実行する」「実行する可能性がある」が多い)な傾向
- すなわち,対応行動は被災経験から時間が経過すると消極的になる可能性がある
- 「竜巻警報」には,竜巻注意情報よりも積極的な対応行動を取る傾向(「確実に実行する」「実行する可能性がある」が多い)が見られる
- 今の竜巻注意情報を精度等を変えずに名称のみ「警報」に変更すると,過剰な対応を喚起する可能性がある
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