豪雨の頻度および豪雨による被害の経年変化
昨年も年度開けに計算しましたが,2012年のAMeDASデータの集計を実施.まず,全国AMeDAS観測所で1時間80mm以上(猛烈な雨)の記録回数は2012年も多めの傾向,ただし突出はしておらず,1980年以降上位9位. https://pic.twitter.com/JmPIniw30N
次に,1日200mm以上の記録回数.これはやや長い時間にわたってまとまった雨が降った回数の一つの目安.2011年は突出して多かったですが,2012年はやや多いといったところで,1980年以降では上位7位. https://pic.twitter.com/qLtvVgZB33
こちらは,風水害被害の経年変化.2009年までは気象庁資料,2010年以降は消防庁資料で2012年は暫定値.豪雨の頻度は近年見方によっては増加していますが,豪雨による被害は明らかに減少傾向. https://pic.twitter.com/9enQZub8Wa
こちらは警察庁・消防庁資料による戦後日本の自然災害被害の経年変化.2012年のみ暫定値です.やはり減少傾向は明瞭.ただし阪神・淡路大震災,東日本大震災のように,時として大きな被害が生ずることも事実です. https://pic.twitter.com/MY6STNv1DI
この図はまずありません.自然災害,交通事故,水難事故,火災,山岳遭難による犠牲者数の経年変化.データ出典は自然災害,火災が消防白書.なお自然災害は2005年以前は日本統計年鑑.交通事故,水難,山岳遭難は警察白書.自然災害のみ2012年の暫定値を表示.他の犠牲者数は2011年まで.
減少傾向のものとそうでないものが.減少傾向が見られなかった火災の犠牲者がここ10年ほどついに減少傾向になったように見えます. https://pic.twitter.com/ihBZbRV2L5
なお,近年は床上浸水が後に全半壊に判定されることがよくあるので,両者の経年的な変化を見る時は注意が必要です.今後は,全半壊家屋数が一見増加するように見える可能性がありますが,それは実態をあらわさないことになります.
床上→全半壊への判定替えと思われる一例.2009年台風9号被害は,2009年8月21日消防庁資料で,全壊21棟,半壊49棟,床上浸水1917棟.11月19日資料ではそれぞれ181棟,1125棟,972棟.床上浸水の減少分と全半壊家屋数の増加分がおおよそ整合するように見えます.
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