国土地理院の避難所記号についての意見募集について思うこと
2014年3月14日より,国土地理院から避難所記号意見募集がはじまりました。
避難所等地図記号(案)に関する意見募集について
http://www.gsi.go.jp/kikaku/hinanjo20140314.html
4月に地図記号として決定する予定です。 https://pic.twitter.com/5k4H2J4sV0
私は,この記号についての検討に少しかかわらせていただきましたので,提案の背景について少し書いてみたいと思います.
この地理院地図用の避難所,緊急避難場所の記号は,すでに広く使われているJIS規格の広域避難場所,避難所(建物)の記号を,地形図の記号としても視認できるよう簡略化したものとして提案されました.「避難所等の地図表示に関する会合」→http://goo.gl/FouGTM
「避難所」「緊急避難場所」という区別がそもそもわからない,と言う意見もあるかと思いますが,これは改正された災害対策基本法 http://goo.gl/uvBTHN に従っているもので,地理院の独自の概念ではありません.
災害種別の記号を分けすぎてわかりにくい,と言う意見もありそうですが,これについても災対法で「現象ごとに緊急避難場所を指定する」ことが定められていることに従ったもので,地理院独自のアイデアではありません.
「避難所」「緊急避難場所」などの新たな概念については,「災害対策基本法等の一部を改正する法律」 http://goo.gl/Xoni3A を参照してください.これも意見がわかれるところでしょうが,今の法律ではこう決まっている,というのが現実です.
私の意見としては,せっかく広く普及したJIS記号の避難場所,避難所記号と異なる記号を新設することは「どの記号が正しいのか?」といった混乱につながることを懸念し,なるべくJIS記号に近いものがいいのではと考えます.このあたりは意見の分かれるところだと思います.
避難所のJIS記号について,JIS公式データベースがやたらとセキュリティが厳しくなって当方の環境では表示すらできないので,孫引きですが,練馬区「建物サインづくりマニュアル http://goo.gl/0er4Rq 」を挙げておきます. http://goo.gl/kMLVUw
避難所,避難場所の「記号」は,今回初めて提案されたものではありません.すでにJISで規格化された記号があり,ハザードマップや看板などで広く使われています.今回提案されたのは,あくまでも,地理院地図で使うための記号です.
« 岩手日報による長期にわたる震災遺族調査の紹介 | トップページ | 土砂災害警戒情報が出たのに避難勧告を出さなかったことは「けしからん」ことではない »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 2021年 新年のご挨拶(2021.01.01)
- 水害時 避難イコール避難所Go! だけ,ではない(2020.04.07)
- 時評=災害教訓に学ぶ難しさ 多くの事例収集重要(2019.09.30)
- 時評=大雨の際の避難行動 流れる水に近づくな(2019.07.31)
- 「大雨警戒レベル」に関する補足的なメモ(2019.06.03)