平成28年熊本地震に伴う犠牲者について・4/15現在メモ
「平成28年熊本地震」について,4月15日朝の段階で発表されている死者数は9人,「倒壊家屋の下敷きで窒息死多く」とのこと.死者9人は,2011年3月11日東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以降で最大規模.
東日本大震災関連の個々の余震に伴う犠牲者数より多い.東日本大震災の犠牲者のほとんどは津波によるものと考えられ,地震の揺れによる犠牲者が結局どの程度だったのかは,結果的に津波による犠牲者に含まれた可能性もあることなどから明確にはわからないと言っていい.東日本大震災で特に被害の大きかった岩手宮城福島の3県以外で生じた犠牲者71人についての筆者の集計 http://goo.gl/8h3QA では,建物倒壊に関連する犠牲者は15人.ただし,住家が倒伏して生き埋めとなった犠牲になったケースは確認できなかった.
東日本大震災以前の地震災害で,比較的犠牲者が多かった事例は,2008/6/14岩手・宮城内陸地震(死者行方不明者25人)山間部の屋外での犠牲者がほとんどで,建物倒壊による犠牲者は確認できなかった(筆者調査 http://goo.gl/mxBi2 ).
岩手・宮城内陸地震の前で犠牲者が比較的多かった事例は2007/7/16新潟県中越沖地震(死者15人).この事例の犠牲者構成を私は精査していないので,詳細は今は知らない.
新潟県中越沖地震の前で犠牲者が比較的多かった事例は2004/10/23新潟県中越地震(死者68人).ただしこの68人の2/3程度は関連死で,地震の揺れに伴う直接死者は24人.そのうち建物倒壊に伴う犠牲者は10人(筆者調査 http://goo.gl/mxBi2 )
現時点ではまだなんとも言えない部分が多い.印象としては,建物倒壊に伴う犠牲者が比較的多く,建物倒壊に伴う犠牲者の規模は2007年新潟県中越沖地震や2004年新潟県中越地震に近い可能性がある.
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