2016/9/10岩手県岩泉町・葛巻町現地踏査雑感
9月10日,11日と,岩泉町の被災地を,人的被害発生場所を中心に現地踏査.道はだいぶ啓開されてきたが,大きく決壊したところなどはまだまだの印象.普段なら20分程度の所を3時間かけて迂回など.10日夕方には国道106号の宮古-盛岡間が通れるようになり,おかげで帰路は比較的スムースに盛岡に戻れた.
今回の岩手,北海道での人的被害はほとんどが洪水起因と考えていたが,岩泉町二升石で行方不明者が生じたと報じられている場所は,土砂災害(土石流)起因と考えてよいか.建物倒壊には至っていないが,土砂の堆積が見られる. pic.twitter.com/cYmZRBUXQq
二升石の現場は,支川と本川が合流する地点にあり,本川側に多量の土砂が堆積している.支川側は家屋付近で勾配が5~6度,本川側は1~2度.河道が満砂状態. pic.twitter.com/77v3vSCLxm
岩泉町内は洪水による被害が目立つが,土砂流出箇所も無数に見られる.土砂による人的被害が多数見られなかったのはたまたまの結果かもしれない.目先で目立った事象ばかりに眼を向けないよう注意が必要.
先週も行った安家地区を再訪.あらためて確認したところ,安家地区中心部付近では住宅地図上の住家が6棟完全に流失している.写真の箇所はそれぞれ住家2棟が流失した. pic.twitter.com/qAhVANPYBn
洪水による住家(小屋などでなく)の流失は,近年ではそれほど見られないので,一つの地区で6棟はまとまった被害.ただしこれに伴う人的被害は今のところ行方不明者1人.関心が持たれるが,今のところは(判断材料が乏しいので)何も言えない.
迂回したついでに,2006年10月の岩井県葛巻町での豪雨被災地の跡を少し見てみた.写真はだいたい同じ場所(本日の方が数十m下流側)で,下が当時,上が本日.ザ「河川改修」でしょうか. pic.twitter.com/vU4Lbps4gS
先の写真の川(元町川)も,今回河岸が大きく浸食されているところも見られました.写真の改修区間では大きな被害はないようでしたが,ざっと見た印象ですのであまり正確な話ではありません.
2006年の葛巻での災害では,変な角度から論文を書いた→「2006年10月6日から9日に北日本で発生した豪雨災害時に見られた行方不明者覚知の遅れ」自然災害科学,2007. goo.gl/TC46NG
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