2017年9月17日の東九州での豪雨に関するメモ
2017年9月17日の東九州での豪雨について簡単に整理した.
17日24時の72時間降水量分布.「山の方で大雨」ではなくて,大分県南部海岸付近から宮崎県では海岸と九州山地の中間付近が多雨域.72時間降水量は少なくはないが,この地域としては時折ある程度.極値更新は佐賀関(大分),赤江(宮崎).話題となった佐伯,臼杵付近も極値更新はしていない.
15~17日の間の最大3時間降水量.大分県南部は海岸付近,宮崎県では北部山間部が強い印象.こちらは佐伯が更新.
AMeDAS佐伯の9/15~17の降水量推移.降雨は17日朝から夕方までのほぼ12時間.1時間50mm以上の非常に激しい雨が3時間,80mm以上の猛烈な雨も1時間記録.豪雨のピークが午前と午後の2回あったようだ.
AMeDAS佐伯の9/15~17の降水継続時間毎の最大値と,過去の記録との比較.5時間以下の降水量や,12時間降水量で1976年以降最大値を更新.記録的な大雨ではあったが,7月の朝倉のような,あらゆる角度から見て過去の記録を大幅に更新するタイプの大雨とまでは言えない.
津久見市内の大分県設置の「福山」観測所の9/15~17の降水量推移.24,72時間降水量は佐伯より大きい.過去の記録がないので直接比較はできないが,3,24時間降水量は佐伯の1976年以降最大値よりは大きい.1時間50mm以上が4時間だが,80mm以上に達してはいない.
総じて見て,降水量記録は,大分県南部としてはやや大きな記録となったと思われるが,極端に大きな記録とまでは言えなさそう.主に短時間の降水が激しかったケースとみられる.また,特に大きな記録が見られた範囲は限定的.宮崎県側も値は大きく見えるが,この地域としては特筆するほどではない.
こちらは気象庁HPから,佐伯の9月及び9/17の潮位変化.17日は大潮に向かうところで潮位はやや高め,台風接近の午後は満潮.ただし潮位偏差はピークの16時頃で0.5m程度.高潮による激しい被害事例というよりは,主に豪雨による洪水というところではなかろうか.