「流れる水には近づくな」「土砂災害の前兆に頼るな」
もう少し書こうかと思ったけど時間が無いので,先日のツイートにすこしだけ加筆.
よく防災パンフレットなどで目にする記述,「徒歩での避難が難しくなるとされる50センチ」.これはとても危険な知識のように思う.このような伝え方をすると,「50cmまでなら歩ける」と思われてしまいそう.流速が速ければもっと浅くても流されるし,体格や年代性別によってもだいぶ話が変わる.
このあたり,詳しくは関西大学の石垣先生が以前に書かれたコラムが参考になる.
防災上の知識として単純化するなら「人も車も簡単に流される.流れる水には近づくな」でよいと思う.普通の人にとって,水に勇気を持って立ち向かう必要は無い.水からは逃れないといけないと思う.
でもそう言うと必ず怒り出す人がいて,「実際に水に取り囲まれたらどうするのか!,運動靴!,ロープ!,探り棒!」とかいう話に.そんな状況にならないように早めの行動をする事が何よりも重要.どうしてもだめなときは,少しでも高いところに逃れる.つまるところ,「最善を尽くす」しかない.
これとよく似た「危ない防災知識」が,「土砂災害の前兆現象」だとおもう.これについては最近のコラム記事を参照ください.
時評=土砂災害-「前兆」頼りすぎるな
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