活動報告

2012年7月 5日 (木)

「高田松原地区震災復興祈念公園構想会議」に委員として参加させていただくに当たって

結局,報道では東海新報にしか出なかったようですが,一昨日7月3日に盛岡で開催された,「高田松原地区震災復興祈念公園構想会議」(事務局:岩手県・陸前高田市)に,委員として出席してきました.

盛岡市で高田松原整備に向け構想会議 震災復興祈念公園の実現を(東海新報)
http://goo.gl/YTrF8

いわゆる「国営公園」の誘致を考える会議です.陸前高田への「国営公園」誘致については,いろいろな意見があることも聞いていましたので,この会議に委員として参加することは少し迷うところもありました.「他に優先してやることがあるだろう」という意見ももっともなことだと思っています.

当然,国営公園誘致は,今の被災地にとって最優先の課題ではないと思います.しかし,いくつかある課題の一つであることは間違いではないと思います.被災した土地をどう使うかは,何かの形で考えていかなければならないところだと思います.その際には,「よそ者」としての視点も必要だろうと考え,この会議に参画させていただくことにしました.

陸前高田の海岸沿いの被災箇所をどうすることがよいのか,これは「これが絶対に正しい」という答えを出せるものではないと思います.災害,防災に関わる立場から,私なりに考えるところを発言していきたいと思っています.

2012年6月15日 (金)

「竜巻等突風予測情報改善検討会」第一回に提出した意見書

牛山も参加している気象庁の「竜巻等突風予測情報改善検討会」 http://goo.gl/M03eM

第一回検討会は欠席させていただいたので,「意見」を文書で提出しました.上記ページ内で公開されてます(PDF)
http://goo.gl/2VMRM

以下に上記の文書を再掲します.
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1.2007~2008年度の議論を踏まえた検討を
2006年9月に宮崎県延岡市,同11月に北海道佐呂間町で人的被害を伴う竜巻災害が相次いだことなどを契機として,気象庁は2007~2008年度にかけて「突風等短時間予測情報利活用検討会」を開催し,様々な議論を行ったと聞いております.同検討会での検討成果は,「竜巻注意情報」および「竜巻発生確度ナウキャスト」等のリアルタイム情報の整備や,リーフレット「竜巻から身を守る ~竜巻注意情報~」,冊子「竜巻などの激しい突風に関する気象情報の利活用について」などの作成につながっているものと理解しております.

今回あらたに「竜巻等突風予測情報改善検討会」が開催されましたが,竜巻等突風災害については2007~2008年度の検討会において,すでにかなり議論が積み重ねられているのではないかと思います.現時点において,「竜巻などの激しい突風に関する気象情報の利活用について」等の資料の内容を根本的に改変する必要性に迫られているとまでは言えないのではないかと私は考えています.時間的な制約もありますから,当時行われた議論を十分に踏まえた上で,前回の検討会以降に新たに生じた問題点,あるいは新たに可能となった技術や情報に絞った議論を進めることが重要かと思います.

2.根拠にもとづく改善が重要
今回の検討会において議論が必要かと思われるポイントは,個人的には下記ではないかと考えています.
a)気象情報→雷注意報→竜巻注意情報,という段階的な情報発表方法の妥当性
b)「竜巻注意情報」という呼称の妥当性
c)竜巻注意情報の発表対象地域が府県単位であることの妥当性
d)竜巻注意情報等,突風に関する情報についての知識普及や伝達方法のあり方

検討に当たっては,情報利用者の認識や考え方についての実態を,社会調査等何らかのかたちで調査した上で議論を進めることが必要かと思います.仮に,情報の呼称や制度を改変するのであれば,特定のエピソードや,漠然とした期待感に依拠することなく,「このように改変すればこのような効果が見込まれる」といった,具体的な根拠にもとづくことを目指すべきかと思います.ただし,災害情報においては「利用者の意見や意向が常に正しくそれに従う必要がある」とは私は考えません.利用者の考えを踏まえつつ,技術的に妥当な情報を構築する必要があると思います.
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災害情報の呼称や中身をいじるのならば,その情報がどう認識,利用されているかの実態を踏まえた上で議論すべし,というのは従来から私が言ってきたことではあります.しかし,いざそういった検討会の当事者になると,限られた期間中に実施するのはなかなか大変です.

とはいえ,「実態調査を踏まえよ」と言ってきた手前,今回の検討に係る調査は私自身も取り組みたいと思っています.いずれ,検討会の中で何らかの公表ができると思います.

2010年2月10日 (水)

指導学生が岩手県立大学長特別賞を受賞

2月9日,平成21年度岩手県立大学学長特別賞の授与式が行われ,昨年度から継続して指導を行ってきた,4年生の太田好乃さんが学長特別賞を授与されました.

受賞理由は,下記の論文が,査読論文として受理,掲載されたことによるものです.

太田好乃・牛山素行,2009:地域特性と学校防災教育の関係について,自然災害科学(日本自然災害学会誌),Vol.28,No.3.
太田好乃・牛山素行・吉田亜里紗,2009:地形認知と津波リスク認知の関係について,災害情報(日本災害情報学会誌),No.7,pp.101-110.

学部学生が全国規模の学会誌に査読論部を投稿し,受理されるのは極めて異例のことです.まだ査読中でありますが,このほかに1点の査読論文も投稿しています.太田さんは,私が静岡大学に異動後も引き続き指導していましたが,不自由な環境の中で,優れた成果を上げてくれました.太田さんの受賞に心よりお祝いを申し上げたいと思います.また,当方の調査研究活動にご協力いただいた関係者,関係機関の皆様に,あらためてお礼を申し上げたいと思います.

2010年2月 9日 (火)

大雨災害における避難のあり方等検討委員会

内閣府主催の「大雨災害における避難のあり方等検討委員会」の第3回委員会が2月9日に行われ,出席してきました.

今回の委員会では,兵庫県佐用町などでの現地調査の報告を筆者が行いました.下記に配付資料や議事要旨が掲載されています.

http://www.bousai.go.jp/3oukyutaisaku/kentoukai/kentoukai3.html

2009年12月18日 (金)

水災害監視・予測勉強会

国土交通省主催の「水災害監視・予測勉強会」が12月17日に行われ,委員として出席してきました.

「勉強会」とありますが,研究会的なものと言うよりは,いわゆる「委員会」に近いものです.特に河川災害に関わる各種情報として,どのような情報が提供できるか,といった内容が主体となっています.年度内にあと2回が予定されています.

2009年12月14日 (月)

大雨災害における避難のあり方等検討委員会

内閣府主催の「大雨災害における避難のあり方等検討委員会」の第2回委員会が12月14日に行われ,出席してきました.

http://www.bousai.go.jp/3oukyutaisaku/kentoukai/kentoukai2.html

に議事要旨が載っています.

2009年10月26日 (月)

大雨災害における避難のあり方等検討会

このほど,内閣府の主催により, 「大雨災害における避難のあり方等検討会」が発足しました.

http://www.bousai.go.jp/oshirase/h21/091023kisya.pdf

牛山は,同検討会の委員を仰せつかり,10月26日に第一回の検討会が行われ,出席しました.討議の内容は後日議事録として公表されるとのことですので本稿では紹介を控えます.今後どのような議論がなされるのか,強い関心を抱いています.

2009年10月25日 (日)

日本災害情報学会「廣井賞」を受賞

本日の日本災害情報学会にて,同学会の2009年廣井賞を授与いただきました.廣井賞とは,同学会が故廣井脩初代会長(前東京大学大学院教授)の志を継ぐ記念事業として,災害情報の分野で功績のあった個人・団体を表彰するもので,いわゆる学会賞です.

日本災害情報学会 廣井賞
http://www.jasdis.gr.jp/16hiroi_prize/index.html

会場で配布された受賞理由を挙げさせていただきます.
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【学術的功績部門】
■牛山素行氏(静岡大学防災総合センター准教授)
授賞理由
牛山素行氏は、災害情報を用いた風水害の被害軽減に関する実証的研究に、これまで一貫して取り組んでこられました。そして、現実的課題として、情報システムが整備されていてもそれだけでは活用が進まないこと、地域のハザードマップや防災ワークショップなどによるリスク認知にも難しさがあること、またソフト対策による犠牲者軽減効果の客観的検証など、災害情報分野の学術研究において顕著な功績をあげていると認められる。
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廣井先生は,我が国の災害情報学の世界の偉大な先駆者です.その先生のお名前を刻んだ賞をいただいたことは,非常に名誉なことであり,恐懼しているところでございます.今後ますます研鑽に励み,「災害情報の活用による被害軽減」を目指した調査研究を進めていきたいと考えております.今後とも,ご指導,ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします.

2009年9月27日 (日)

狩野川台風の故地を訪ねて

《後日の記録です》

本日9月27日,伊豆半島北部の狩野川流域を巡検してきました.静岡大学教育学部で開講されている,「地学野外実習」の一部で,実施に協力している防災総合センターから案内者として参加したものです.

主な訪問地は,伊豆市徳永の狩野川支川徳永川の床固群と砂防堰堤,伊豆市筏場の崩壊跡地,狩野川放水路などです.

なかでも筏場の崩壊はダイナミックで,川が尾根を破壊して別の谷に流れ込んでいるという形態になっています.まさに,河川争奪の現場です.現在は元の地形に戻されており,樹木の繁茂もあって現地で見てもちょっとわかりにくいのが残念ですが.

狩野川流域は,河岸段丘の発達もよく見られ,洪水災害について学ぶには適地であると感じました.

2009年2月19日 (木)

本研究室の学生が学長特別賞を受賞

本日,平成20年度岩手県立大学学長特別賞の授与式が行われ,当研究室4年生の吉田亜里紗さん,および3年生の太田好乃さんが,それぞれ学長特別賞を授与されました.

本学の学長特別賞はいわゆる成績優秀者の表彰とは別で,「研究活動、課外活動又は社会活動において特に優れた業績を収め、高い評価を得た者」を対象に贈られるものです.表彰対象は「研究活動」,「課外活動」,「社会活動」の3種類に大別され,吉田さん,太田さんともに「研究活動」での表彰でした.学部生で「研究活動」での受賞者は,平成17年度に表彰制度が始まってからの全学通算で7名です.そのうち当研究室関係者は,18年度の吉田淳美さん,19年度の國分和香那さんに続き,合計4人となりました.

吉田さんの受賞理由は,日本自然災害学会での「津波経験地域における中高生および大人の災害意識の違いについて」の発表をはじめ,担当教員と共同でいくつかの調査研究に携わったことによるものです.

太田さんの受賞理由は,日本自然災害学会でおこなった,「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震による人的被害の特徴」の発表が,「自然災害学会学術発表優秀賞」を受賞したこと,ならびに担当教員と共同でいくつかの調査研究に携わったことによるものです.

吉田さん,太田さんの受賞に心よりお祝いを申し上げたいと思います.また,当研究室の調査研究活動にご協力いただいた関係者,関係機関の皆様に,あらためてお礼を申し上げたいと思います.

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